会員登録なし・無料で使える経営実務情報
お知らせ2026年7月31日に公開されました
経営危機・廃業・破産

自己破産を考える前に
確認したい5つのこと

借金の返済が難しくなったときに、債務整理の入口と相談先を先に整理します。

この記事の結論

自己破産は、借金を支払えないときの最終的な選択肢の1つです。ただし、債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、破産など複数の方法があり、個人か法人か、保証人がいるか、どの裁判所に申し立てるかで動き方が変わります。先に借金の名義、資産、毎月の収支、相談先を並べると判断しやすくなります。

まず確認したい5つ

確認項目 見るポイント
誰の借金か 個人、法人、連帯保証のどれに当たるかを分けて見る
今後返せるか 毎月の収支、返済額、税金、社会保険料を並べて確認する
使える方法 破産だけでなく、任意整理、特定調停、個人再生などの選択肢も確認する
相談先 法テラス、弁護士、裁判所、必要に応じて税理士へ早めにつなぐ
事業の整理 売掛金、在庫、従業員、契約、税務届出を同時に見直す

1. 借金の名義を先に分ける

個人事業主の借入と、法人名義の借入では、整理の向き先が変わります。会社の借金であれば法人の破産手続きを、個人の借金であれば本人の破産や再生を検討することになります。連帯保証が付いている場合は、本人側の負担も別に確認が必要です。

最初にやることは、借入先、残高、返済日、担保の有無、保証人の有無を一覧にすることです。感覚で判断せず、紙でも表でもよいので見える形にすると、次に相談すべき内容が整理しやすくなります。

2. 債務整理は自己破産だけではない

法テラスの案内では、債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、破産などがあります。裁判所の案内でも、破産・再生は債務整理の代表的な手続として整理されています。すぐに自己破産と決めるのではなく、他の方法が使えるかを専門家と一緒に確認するのが実務的です。

事業を続けたいのか、事業を畳むのかで選ぶ方法が変わります。売上回復の見込みがあるなら再生や条件変更を、継続が難しいなら破産を含めて整理する、という見方が必要です。特定調停は、法人か個人か、事業者かどうかを問わず幅広く使える手続として案内されています。

手続 向いている場面
任意整理 裁判所を使わず、返済条件の見直しを話し合いたいとき
特定調停 裁判所の仲介で返済方法を整理したいとき
個人再生 借金を減額して、収入に合わせて返済を続けたいとき
破産 全体の支払いが難しく、清算と免責を検討するとき

3. 自己破産の基本を押さえる

裁判所の案内では、破産手続は裁判所が開始を決定し、必要に応じて破産管財人が財産を金銭に換えて債権者に配当する手続です。個人の場合でも、借金が自動的に消えるわけではなく、免責許可を受ける必要があります。裁判所の案内では、個人が破産手続開始を申し立てると、原則として免責許可の申立てもあったものとみなされます。

申立て先は、原則として個人なら住所地、法人なら本店所在地を管轄する地方裁判所です。費用や必要書類は裁判所ごとに異なるため、申立先の案内を先に確認してください。

ここで注意

費用を気にして申立てを遅らせると、家賃、税金、給与、仕入代金の支払いがさらに苦しくなることがあります。まずは手続きの入口を確認し、必要なら法律相談を予約するほうが安全です。裁判所は中立の立場のため、破産や再生の申立てに関する個別相談には応じません。

4. 相談先は早めに決める

借金の整理は、ひとりで完結しにくい分野です。法テラスでは借金の相談案内があり、裁判所でも破産・再生の手続案内や書式を公開しています。自力で書類を作る前に、どの手続きを選ぶかを相談したほうが、やり直しを減らせます。

会社の資金繰りが限界に近いなら、前の記事資金繰りが苦しいときに先に確認したい5つのことも合わせて確認すると、相談先の整理がしやすくなります。

申立ての準備を進める場合は、裁判所の破産手続で使う書式も先に確認しておくと、必要な書類のイメージをつかみやすくなります。

5. 相談前にそろえたいもの

資料 理由
借入一覧 返済先と残高を正確に伝えるため
収支の一覧 毎月どれだけ不足するかを確認するため
預金・現金の残高 動かせる資金の量を把握するため
売掛金・在庫・固定資産 処分や回収の見込みを確認するため
税金・社会保険の通知 支払優先順位を整理するため

公的な相談先

  • 法テラス: 借金などの法的トラブルについて、相談窓口や解決の入口を案内しています。
  • 裁判所: 破産手続の案内、必要書類、費用の考え方を確認できます。
  • 法務省: 債務整理の方法や制度の考え方を確認できます。
  • 税理士: 事業の終了に伴う税務整理が必要な場合に相談します。

法テラスの借金相談案内を見る 裁判所の破産案内を見る 破産手続の書式を見る

参考にした公的情報

2026年9月9日に裁判所の「破産」「破産・再生」と法テラスの「債務、貸付」を再確認しました。その他の参考リンクの確認日は2026年9月8日です。破産、再生、特定調停の要件や費用は事案や裁判所ごとに異なるため、実際の手続き前に最新情報を確認してください。

免責事項

この記事は一般的な情報であり、個別の債務整理、破産、再生、税務、契約の助言ではありません。返済遅延、差押え、従業員や取引先への対応が迫っている場合は、弁護士や法テラスへ早めに相談してください。