開業したら、まず「開業届」と「青色申告承認申請書」を確認します。前者は事業開始を税務署へ知らせる手続き、後者は青色申告を使うための手続きです。どちらも開業直後の早い段階で準備しておくと、後の申告や記帳が楽になります。白色申告を選ぶ場合でも、日々の記帳と帳簿・書類の保存は必要です。e-Taxでの提出もできるので、紙と電子のどちらで進めるかも先に決めておくと迷いにくくなります。
この記事では、開業届と青色申告承認申請書に加えて、白色申告の記帳・保存、e-Taxでの提出方法も一緒に確認できるようにしています。
開業後30日のチェックリスト
| 時期 | 確認すること |
|---|---|
| 1週目 | 開業届・青色申告承認申請書の提出、事業用口座・カードの準備 |
| 2週目 | 請求書の発行方法、ファイル名、保存先、入金予定日のルールを決める |
| 3週目 | 売上・経費・未入金・未払いを一覧にし、資金繰りを確認する |
| 4週目 | 契約書、見積書、領収書の保管場所と月末確認日を固定する |
開業したばかりの時期は、手続きだけでなく、資金・契約・請求書の運用を同時に決めると後の手戻りを減らせます。
届出だけでなく、資金調達の準備、請求書の命名ルール、契約書の確認までをひと続きで進めます。
まず押さえたいのは、この2枚
| 書類 | 役割 | 提出時期の目安 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業・廃業等届出書 | 新しく事業を始めたことを届け出る | 事業開始の年分の確定申告期限まで |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 青色申告を使うための申請 | 原則は3月15日まで。1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内 |
国税庁の案内では、どちらの届出書もe-Taxで作成・提出できます。紙で出す場合は、控えを手元に残しておくと、会計ソフトや確定申告の準備で見返しやすくなります。
開業届は「営業を始めました」の基本手続き
国税庁の案内では、開業届は、新たに事業を開始したときに提出する手続きです。個人事業を始めたことを税務署へ知らせる入口の書類で、事業の種類や屋号、開業日などを記載します。
青色申告承認申請書は、後の申告を有利にするための準備
青色申告を選ぶと、条件を満たした場合に青色申告特別控除を受けられるほか、帳簿をつけながら事業の数字を整理しやすくなります。国税庁の案内では、55万円の控除が基本で、一定要件を満たすと65万円の控除が可能です。
ただし、青色申告は「楽に済ませる制度」ではありません。日々の記帳や保存を前提にした制度なので、開業直後から売上、経費、入金、支払いを把握する習慣を作る方が向いています。白色申告でも記帳・帳簿等の保存は必要なので、どちらを選ぶかは負担とメリットの両方で考えるのが現実的です。
期限で迷いやすいところ
- 開業届は、開業した年分の確定申告期限までが目安です
- 青色申告承認申請書は、原則としてその年の3月15日までです
- 1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、開業日から2か月以内です
- 期限は土日祝なら翌日になる場合があります
書類の提出期限は、開業日や申告の時期によって変わります。とくに青色申告承認申請書は期限を過ぎると、その年から使えないことがあります。開業準備の段階で、提出日を先に決めておくと安全です。
提出方法は e-Tax も使える
国税庁の案内では、青色申告承認申請書はe-Taxソフト(WEB版)のマイページから申請できます。スマートフォン、タブレット、パソコンから利用でき、書面で出す場合は持参または送付でも提出できます。
開業届も同じく、e-Taxや書面での提出方法を確認しておくと、開業直後の手続きをまとめて進めやすくなります。紙で出す場合は、控えや提出記録を残しておくと後で見返しやすいです。
e-Taxを使うなら、事前に利用環境やログイン方法を確認しておくと、開業日ぎりぎりでも慌てにくくなります。
白色申告でも記帳と保存は必要
青色申告にしない場合でも、事業所得や不動産所得などがある方は、収入や必要経費の記帳と、請求書・領収書などの保存が必要です。開業直後は売上づくりを優先しがちですが、記帳の習慣は最初から作ったほうが後で楽になります。
青色申告を選ぶか白色申告を選ぶかは、控除や手間だけでなく、毎月の記帳を続けられるかでも考えると判断しやすいです。
実務ではこの順番が分かりやすい
- 開業日を決める
- 屋号、住所、事業内容を整理する
- 開業届を作る
- 青色申告を使うなら承認申請書も作る
- 控えの保管方法を決める
紙で出す場合も、電子で出す場合も、提出後に見返せるよう控えや受付記録を残しておくと、後で会計ソフトや確定申告の準備がしやすくなります。
開業時に一緒に確認したい届出
| 届出・確認事項 | 見ておきたい場面 | 次に読む |
|---|---|---|
| 白色申告でも必要な記帳・保存 | 青色にするか迷っているとき | 青色申告と白色申告の記事 |
| 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 | 従業員に給与を払うとき | 初めて従業員を雇う記事 |
| 消費税の届出・インボイスの検討 | 取引先から請求書対応を求められるとき | インボイス登録の記事 |
| 青色事業専従者給与の届出 | 家族へ給与を払う予定があるとき | 青色申告の記事 |
管理人の経験から
開業した直後は、売上づくりに意識が向いて、届出は後回しになりがちです。ただ、最初の手続きほど後で修正しにくいので、開業準備の一部として先に片づけておく方が結果的に楽でした。
参考にした公的情報
- 国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
- 国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」
- 国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
- 国税庁「No.2072 青色申告特別控除」
- 国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など」
- 国税庁「開業する場合」
- e-Taxソフト(WEB版)について
- 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
上記リンクは、2026年8月20日時点で確認した公式情報です。提出期限や控除要件は改定されることがあるため、実際の提出前に最新情報を再確認してください。
青色申告と白色申告の違いを見る 従業員を雇う前の手続き 雛形一覧へ進む
この記事は一般的な情報です。開業届や青色申告承認申請書の要否、提出先、提出方法は、税務署または税理士へ確認してください。
